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本が出ます。『読みたいことを、書けばいい。』
あおいにも関係ある本です。
表紙の字があおいです。https://t.co/7dKWhfCydq pic.twitter.com/1krP7uYkj8— 田中泰延 (@hironobutnk) June 5, 2019
こんにちは! 藤原のパクチーです。
さて、今回は趣向を変えて、読んで面白かった本の紹介をさせていただきたいと思います。
本を読んだり、映画を観たりするのは大好きなのですが、レビューを書いたり、内容をまとめたりするのが本当に苦手なので、避けておりました。読みにくかったら、すみません。
さて、今回取り上げるのは田中 泰延(たなか ひろのぶ)の『読みたいことを、書けばいい。』です。
全体的な内容に触れるのでめちゃくちゃネタバレありです。
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文章を書くスキルではなく文章を書くメンタルについての本

(フリー素材です)
文章術の本ですが、この本を読んでも素晴らしい文章が書けるようにはなりません。
じゃあ何が書いてあるのかというと、端的には以下のようなことが書いてありました。
①誰かの二番煎じをするくらいなら、もう読み手であれ。
②何かを書くときはその一次資料にあたりなさい。
③自分のために書きなさい。
とてもシンプルですね。
しかし、シンプルであるがゆえに奥が深い。
ではでは、ひとつずつ解説していきます。
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①誰かの二番煎じをするくらいなら、もう読み手であれ。

(フリー素材です)
何かにについて書こうと思った時、もう誰かが書いていることをトレースしたり、他の人がすでに言っていることを別の言い方で書くくらいなら、それはもう読み手でいた方が楽だよ。ということが書いてありました。
書く作業って基本的に孤独で辛いんです。誰かが書いたことを苦労してまた書きなおしても誰も読まないし、何より自分が楽しくない。
また、書くことで承認欲求を満たそうとする人がいますが、絶対に労力に見合わないのでやめた方がいいというわけですね。
逆にすでに書かれている文章よりも面白く、1つでも違った視点を持って、「まだだれも読んでいない文章」を書けると思うのなら書くべきです。
でも、普通はそんなのなかなかできません。
そこで、次の②と③が大事になってきます。
②何かを書くときはその一次資料にあたりなさい。

(フリー素材です)
たとえば織田信長について書くことになったとします。
まず、ググりますよね。Wikipediaとかまとめサイトとかで調べます。
どこかの信長オタクが書いたブログとかで、マニアックな小ネタとかを収集します。
よし、これで書けそう!と思いますが、まだまだ足りません。まだまだ二番煎じです。
では、本屋で『世界一わかりやすい織田信長』とか『誰も知らない織田信長の世界』とかを買って読んだとします。
これならいけそう!と思いますが、もうひと押しです。
では、信長についての本を10冊読めばいいのか?というとそれでもまだ足りません。
たしかに、信長についての本を10冊も読んでいる人はそうそういないでしょうから、かなり専門的なことを書けそうですが、この10冊の本もまた、二番煎じに過ぎないんですね。
「誰かのまた聞きのまた聞き」でしかないこの手の文章は書いた人の解釈が入っていたり、何かしらノイズが含まれていたりして、本当に知りたいことを知るには不完全であるというわけです。
そのため、作者の田中さんは一次資料を調べることの重要性を説いています。
ここでいう一次資料とは、「ここがその話の出所で、行き止まりである」というところまでさかのぼるということです。
信長の場合なら、本人が書いた日記とか、信長に関する古文書の原文とかでしょうね。
そこまでたどって、ようやく自分が気になったことを書けばいいと。
さすがにそこまで調べ上げると誰も触れていないことや、自分だけの気づきが自ずと生まれてくるようです。
まとめると、「書くときは徹底的に調べ上げなさい」ということです。
「物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛。」と書いてありました。
これは労力のことだけではなくて、文章のバランスのことも指しています。
つまり、文章の中にライターの考えは1パーセントもあれば十分で、あとは自分の目で見て、耳で聞いて調べた内容を伝えればいいというのが田中さんの考えです。
③自分のために書きなさい。

(フリー素材です)
そもそも、何かを書くために「そこまで調べる必要があるのか?」と思いますが、本当に自分が好きなこと、調べたいことであれば、言われなくても勝手に調べますよね。
たとえば、書くときに「クライアントに褒められよう」とか「読者に褒められよう」とか思い始めた時点で、調べることも、書く作業も、文章の内容も、まったく面白くなくなるわけです。
大事なのは、一番最初の読者である「自分」が、わくわくして本当に面白いと思えるかどうかです。
誰のためでもなく、まずは自分のために書くべきなんですね。
なぜなら、自分が読んで面白くない文章を他人が読むわけがないからです。
だから、他人の評価を気にせずに、自分が読みたい、面白いと思ったものを書くべきなのです!
『読みたいことを、書けばいい。』を読んだ感想
文章術の本としては読みやすくて、かなり面白かったです。
②の「一次資料にあたりなさい」という点は本当に納得でした。このご時世、文章を書こうと思ったらいくらでも調べる手段があって、ちょっとした文章を書くくらいならテキトーにマネして、そつなくこなせてしまうんですよ。その代わり、毒にも薬にもならないような意味のない駄文が出来上がってしまう。そんなのは誰も読まないわけですね。
逆に大学の卒業論文とかはこのノリでは絶対に書けないんです。
私は卒論で『竹取物語』(かぐや姫)について書きましたが、やっぱり一次資料である原文は必ず読まなければいけませんでした。先行研究といってすでに誰かが調べた研究論文などを引用する手法はあるのですが、それでもやはり、自分で根拠を示さなければそれは二番煎じであり、乗っかっただけと見なされてしまうんです。
当時、原文をたくさん読むことになって、本当に骨が折れましたが、そこまでやって初めてわかったことがあったり、ものすごいアイデアが閃いたことがありました。
やっぱり、一次資料は大事なんですね!
というわけで、この記事の一次資料である
『読みたいことを、書けばいい。』を
ぜひ読んでみてください。
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